虹色アゲハ
「…そりゃあ泣くわよ。
もっと仁希を求めてしまって、苦しくてたまらなかったもの」

すると仁希は、今度は嬉しいショックできょとんと固まり。

次の瞬間、笑うのも忘れて望の唇を奪った。


「んっ…んんっ……」
胸が大きく波打って、身体がどうしようもなく溶かされる望。

2人は約12年分を取り戻すように、激しく貪り続けると…
そのままベッドに流れ込んだ。



「望、愛してるっ。
死ぬほど愛してるよっ…」
うつ伏せた身体の一番奥に、深く深く刻み込む。

自分はちゃんと愛されていたんだと。
こんなにも愛されていたんだと。
ポタポタと、背中に落ちる汗すら愛おしく感じながら…

「ぁっっ…ああっ!」
何度も何度もおかしくなるくらい絶頂を重ねていた望は、再びその大きな波に襲われて…
意識が飛びそうになる。

その矢先、腕にチクリと痛みを感じたものの。


「約束通り、
今度こそーーーーーーーーー」

その声を聞きながら、意識の向こうに落ちていったのだった。



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