虹色アゲハ
シロオビアゲハ
「ねぇ倫太郎、色々ありがとう」
仕事の面接に出掛ける間際。
送ってくれる倫太郎に、しみじみ感謝を告げる望。
「はっ?
何だよ急に…」
「だってここまで立ち直れたのも、望として新しい人生を踏み出せるのも、全部倫太郎のおかげだから」
「…俺は自分ちに連れ込んだだけだし。
いいから行くぞ?」
家を出ると、倫太郎が鍵を閉めてる最中。
望は、久しぶりに味わう外の世界の眩しさに…
絶望から這い上がれた気がして、思わずジワリと涙ぐむ。
それを隠すように、気遣う倫太郎の後ろを俯きながら歩いていると…
突如。
視界の端に影が飛び込み、倫太郎がドシャリと崩れる。
えっ、と驚いた望は…
「逃げよう!」
目の前に現れた鷹巨に、ガシッと手首を掴まれて。
グイと、側の下り階段に引き込まれる。
「えっ…ちょっと待って!
倫太郎っ」
振り返ると、倫太郎の太腿には刃物が刺さっていて…
そう、望を様子を気にかけていた倫太郎は、階段に潜んでいた鷹巨に気付かず。
体当たりされる形で軸足を刺されていたのだ。
「倫太郎!!
ちょっ…離して鷹巨っ!」
そう抵抗する望に、鷹巨が怯んだ瞬間。
追い掛けて来た倫太郎が、グッと望を抱き寄せて。
鷹巨を踊り場に蹴り飛ばした。
仕事の面接に出掛ける間際。
送ってくれる倫太郎に、しみじみ感謝を告げる望。
「はっ?
何だよ急に…」
「だってここまで立ち直れたのも、望として新しい人生を踏み出せるのも、全部倫太郎のおかげだから」
「…俺は自分ちに連れ込んだだけだし。
いいから行くぞ?」
家を出ると、倫太郎が鍵を閉めてる最中。
望は、久しぶりに味わう外の世界の眩しさに…
絶望から這い上がれた気がして、思わずジワリと涙ぐむ。
それを隠すように、気遣う倫太郎の後ろを俯きながら歩いていると…
突如。
視界の端に影が飛び込み、倫太郎がドシャリと崩れる。
えっ、と驚いた望は…
「逃げよう!」
目の前に現れた鷹巨に、ガシッと手首を掴まれて。
グイと、側の下り階段に引き込まれる。
「えっ…ちょっと待って!
倫太郎っ」
振り返ると、倫太郎の太腿には刃物が刺さっていて…
そう、望を様子を気にかけていた倫太郎は、階段に潜んでいた鷹巨に気付かず。
体当たりされる形で軸足を刺されていたのだ。
「倫太郎!!
ちょっ…離して鷹巨っ!」
そう抵抗する望に、鷹巨が怯んだ瞬間。
追い掛けて来た倫太郎が、グッと望を抱き寄せて。
鷹巨を踊り場に蹴り飛ばした。