虹色アゲハ
と同時に、軸足に激痛が走り。
倫太郎もその場に崩れる。

「倫太郎っ!」
当然望はそっちを心配すると。

「戻るぞっ」
今度は倫太郎から腕を引かれる。


そして階段を抜けながら、鷹巨を振り返ると…
ショックの表情を浮かべていて。

それが望の胸に、ナイフのように突き刺さる。


だけどそれどころじゃなく。

「倫太郎!血がっ…」

無理して動いたせいか、通路に赤い線を作っていた。


「救急車呼ばなきゃ…
待って携帯が!」

それは最近倫太郎が買ってくれたもので、入れていたバックごと階段に落としたと気付く。

それどころか倫太郎の携帯も、倒れた場所に落ちていて。


「ねぇ待って倫太郎っ」
「いいから入るぞっ」

なのに強引に、解錠した扉の中に押し込まれる。


それから靴のまま、リビングに連れて行かれて…
そこで倫太郎が倒れ込む。

「倫太郎っ!」

「望っ、大事な話がある」
ガシッと、離れた手がすかさず望の手首を掴んだ。

「それより救急車!
お願い離してっ」

「今(外に)出たら危ねぇだろ!
それに、救急車じゃ出来ない話なんだ」

「知らないわよっ、そんな話どうでもいい!」

「いいから聞けよっ!
頼むからっ…」
激しく怒鳴った後、切実に懇願すると…

望が怯んだ隙に、話し始める倫太郎。
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