虹色アゲハ
そう、望の過ごした最後の夜も…
これで最後だなんて受け入れられなくて。
いっそこのまま一緒に死んでしまいたいくらい、離れたくなくて。
そして、今からまた裏切る事に。
また傷つけて苦しめる事に。
泣きながら抱いて、泣きながら回収作業にあたっていたのだ。
「…そんなに辛ぇなら、なんとか望も連れてけよ」
だけど仁希は固い意志を示すように、首を横に振った。
「いいんだ、俺は…
望の罪と一緒に生きれるなら。
望のために生きれるなら」
そして、望の役に立って死ねるなら。
実は倫太郎にも話してなかったが…
仁希の若さで、しかも旅行者でない日本人が海外で透析を受けるのは珍しいため。
やはり足がつく可能性が高く。
そのうえ10年以上透析を受けてる仁希は、予後が世界一といわれる日本ですら、合併症でいつ命を落とすかわからない状態だったのだ。
そのため、どうせなら腎移植を受けようと思い切ったのだが…
さすがに成りすましでは不可能なため、闇ルートで受けるしかなく。
成功すれば、ようやく自由が手に入るが…
危険な闇移植でその可能性は、奇跡に等しかったのだ。
これで最後だなんて受け入れられなくて。
いっそこのまま一緒に死んでしまいたいくらい、離れたくなくて。
そして、今からまた裏切る事に。
また傷つけて苦しめる事に。
泣きながら抱いて、泣きながら回収作業にあたっていたのだ。
「…そんなに辛ぇなら、なんとか望も連れてけよ」
だけど仁希は固い意志を示すように、首を横に振った。
「いいんだ、俺は…
望の罪と一緒に生きれるなら。
望のために生きれるなら」
そして、望の役に立って死ねるなら。
実は倫太郎にも話してなかったが…
仁希の若さで、しかも旅行者でない日本人が海外で透析を受けるのは珍しいため。
やはり足がつく可能性が高く。
そのうえ10年以上透析を受けてる仁希は、予後が世界一といわれる日本ですら、合併症でいつ命を落とすかわからない状態だったのだ。
そのため、どうせなら腎移植を受けようと思い切ったのだが…
さすがに成りすましでは不可能なため、闇ルートで受けるしかなく。
成功すれば、ようやく自由が手に入るが…
危険な闇移植でその可能性は、奇跡に等しかったのだ。