虹色アゲハ
「オマエがよくたって望はよくねぇだろ。
言ってたよな?アイツの幸せは愛情だって。
だったらどんな状況でも、オマエといる事が幸せなんじゃねぇのか?」

「お前ってほんと…
自分は二の次で、せっかくのチャンスを放棄するんだな」

「別に俺は…
アイツが幸せならそれでいいし」
そう言いながらも、胸を痛める倫太郎。


「…馬鹿だな。
けど、お前がそう言ってくれるなら…
連れてくのは無理でも、後から呼ぶ方向で考えてみるよ。
とりあえず、無事に着いたら(・・・・・・・)連絡する」

実際、天才ハッカーの仁希にとって、海外逃亡自体は難しい事ではなかった。
だけど倫太郎が引き下がらないと思い、その前提つきで了承すると。


「でももし連絡がなかったら、その時は…
望の事、頼むな?」

「縁起でもねぇ事ゆうなよ。
絶対、死んでも逃げ切れよ」

「はは、死んだら逃げれないだろ。
まぁとにかく…
今までありがとな、倫太郎」

望以外どうでもよかった俺だけど、お前の事だけは特別だったよ。

だから望、どうか倫太郎と幸せに…


そんな思いで立ち去る仁希に。

「連絡待ってるからな!」と、倫太郎は駄目押ししながら…
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