虹色アゲハ
自分の心には、他に誰も入れないくせに…
俺の心にはそーやって、ほんとズカズカ入ってくるよな。

眠れずに、ソファで1人溜息をつく倫太郎。


当分寝ないからと、ベッドは揚羽に譲っていて…
するとその寝室の方から、苦しそうな声が聞こえた。

すぐに様子を見に行くと。
どうやら夢でうなされてるようで…

倫太郎はベッドの端に腰を下ろすと。
その切れ長の大きな目を切なげに細めて…
そっと髪に触れて、優しく撫でた。


安心しきっているのか、揚羽は起きる気配もなく…
心地よさそうにまた、スヤスヤと寝息を立てていた。



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