虹色アゲハ
次の日。
揚羽は気持ちを新たに、久保井への復讐に乗り出した。


「柑愛ちゃん、昨日席に着いた久保井さんなんだけど…
連絡先とか聞いてる?」

「あぁ、田中専務のお連れさまの…
聞いてないです。
揚羽さんの指名席だったし」

「そっか…
実は私、久保井さんの事すっごくタイプなの。
でも田中専務の手前、連絡先とか聞けないじゃない?
だからね?
柑愛ちゃんが気に入ってる事にして、呼び出してもいい?」

そうすれば今後は柑愛も指名に出来ると交渉し、シングルマザーで少しでもお金が欲しい柑愛は快く了承した。

揚羽はすぐに田中専務に連絡を入れると、昨日のお礼とともにその旨を伝えて…
久保井の来店を待ち望んだ。


倫太郎とバディを組んでしばらく経った頃、当然その名は調べてもらったが…
その時は何の情報も得られなかった。

でもここで電話番号や何らかの情報が得られれば、そこから何か掴めるはずだと見込んで…
次こそは心を乱さないと、腹をくくったのだった。



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