虹色アゲハ
そう来る…
まさか柑愛をターゲットにする気?

だったら逆に嵌めてあげる。


すかさず揚羽はフォローを装い…

「じゃあさっそく、連絡先を交換しなきゃですね。
あ、ちゃんと名刺も渡してくださいね?
2人っきりになるには、まずは信用第一ですよ?」
そう自分の目的へと誘導すると。


「そうだけど…
僕は小出しにするタイプなんで」
ぐいとその視線をぶつけられ。

腹をくくったにもかかわらず、不可抗力に胸を揺さぶられる。


「だから、明日っから少しずつ明かしていこうかな」

「ははは、久保井くんはなかなかの策士だなぁ」

「でも明日は日曜(お休み)なので、明後日からお願いしますね」
慌てて揚羽は、そう平静を装った。




そうして2人が店を後にすると。

「あたし、どうすれば…」
柑愛が困った素ぶりで尋ねる。


「気にしないで。
そのまま指名客にしちゃって?
その代わり、名刺と携帯番号が手に入ったら見せてくれない?」

「それは…」

本来はこの業界に限らずご法度だろうが…
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