虹色アゲハ
週末、ようやく柑愛が出勤してきて…
久保井も店に現れた。


「柑愛ちゃん、名刺か連絡先もらえた?」
仕事が終わると、揚羽はすぐに問いかけた。

「それが、今日は好きなものを教える日らしいです」

「はあ?
なにそれ…」

ずいぶん回りくどいわね…
それ教える気ないでしょ。

「じゃあとりあえず、それっぽい情報が入ったら教えてくれる?」

「…はい、わかりました」


柑愛にはそう言ったものの、埒があかないと…
揚羽は、田中の携帯をハッキングするしかないかと考える。

だけど、もう少し様子を見ようと…
最大のターゲットを前に、焦らないよう自重した。



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