虹色アゲハ
そして倫太郎は、GPSで揚羽が何度も訪れていたのを知っていたが…
特に連絡がなかったため、調査に集中していたのだ。


「あ、アイスもある」

「差し入れよ。
どれも好きでしょ?」

「なんで知ってんだよ、ストーカー?」

「いや気付くでしょ。
むしろどの口が言ってんの?」

確かに、ボディガードのためとはいえ、揚羽の動向をチェックしてる自分の方がそうだと思いながら…
倫太郎は嬉しそうに、ハハッと笑った。

そうやって気付いてくれる事だけじゃなく。
揚羽が料理やアイスの差し入れのためだけに来てくれてたのが、嬉しくてたまらなかったのだ。


「じゃあ食ったら作戦会議な」

「なに、ずいぶん張り切ってるわね」

「ったり前だろ?
このまま、舐められたまま終われねぇだろ」

「ふふ、そうね…
しっかり利子つけて返さなきゃね」

そう、私を騙した事を後悔させて…
2度と逆恨みなんか出来ないようにしてあげる。

依頼者を脱皮した、毒女(どくおんな)を思って…
揚羽は眼光を鋭くするのだった。



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