虹色アゲハ
後日、毒女への反撃準備が整った揚羽は…
親が回復した旨を伝え、鷹巨とのデートに漕ぎ着けた。

手料理の約束は、監視カメラ避けるため…
手に怪我をしたという理由で、事実上無期延期に持ち込んでいた。


「延期になったお詫びに、今日は私にご馳走させてください」

「いえっ、手料理楽しみにしてるんで、ここは僕に奢らせてください」

「そんなっ…
遊園地でも全部出していただいたのに」

「それは僕が誘ったんで当然です。
でも…
出来ればこれからも、そうやって僕にカッコ付けさせてもらえると嬉しいです」

「もうっ、鷹巨さんってどこまで優しいんですか?」

結婚詐欺師じゃないくせに…


今回延期を伝えた時も、相変わらず「いつでもいいですよ」と言う始末で。
詐欺師にしては間抜けだと思っていたが、やっぱり一般人なんだろうと改めて思う。

だからこそ。
聡子を陥れたいはずなのに上手く美人局に誘導出来ず、待つ事しか出来ないんだろうと。


でも実際、鷹巨本人はそれだけじゃなく。
どうしても聡子が悪い人間に思えず、訴えるのに抵抗を感じていたのだ。
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