虹色アゲハ
そしてハンドメイドの通販サイトを開いて、それを鷹巨に提示した。

「私、この作家さんの食器を集めたいと思ってて…
また鷹巨さん好みで、選んでもらってもいいですか?」

それらはどれも安価で、遠慮する聡子らしいチョイスだった。


「どれも素敵ですね。
わかりました、じゃあサイトのリンクを送ってください」

「はいっ。
ありがとうこざいます、楽しみにしています」


送ったリンクは、本物そっくりの偽サイトに繋がるもので…
詐欺師とバレているため、今までの流れは怪しまれないための演出だったのだ。



「じゃあまた、誕生日に」

「えっ…
平日なのに、一緒に過ごしてくれるんですかっ?」

「もちろんですっ。
聡子さんのためなら、いくらでも時間を作ります」


なるほど、その日なら罠に誘導しやすいもんね…

そう、誕生日演出で甘いムードに持っていったり。
もしくは、平日で短い時間しか過ごせなかったからといった理由で。
もっと一緒にいたいと、家に誘いやすいのだ。

しかも、お祝いしてもらった立場なら断りにくく。
美人局を企んでるなら、喜んで食いつくはずだからだ。
< 74 / 268 >

この作品をシェア

pagetop