虹色アゲハ
そこで揚羽も、その頃にはこっちの手筈も整ってるだろうと…
その日に決着をつけてやろうと目論んだ。

相手が美人局の現場を押さえるつもりなら、毒女も結果を気にして近くで待機するはずだと踏んだのだ。




「は?
まさか2対1でケリ付ける気じゃねぇよな?」

「そのつもりだけど何?」

「バカ、どう考えても危ねぇだろ」

「大丈夫でしょ。
あの男は一般人だろうし、女の方は逆らう気も失せるだろうしね」

「だから、追い詰められたらヤケんなって何するかわかんねぇだろっ」

倫太郎の言葉は、例の最後にした美人局を物語っていた。


「でもあの男の反応を確かめたいのよ。
もし騙されてるなら、あの男も被害者だし」

「知らねぇよ。
いいからあの女とサシでやれよ」

「そんなワケにはいかないわよ。
赤詐欺に復讐代行してる私が、その被害者かもしれない相手を見過ごせると思う?」


揚羽はあれから気になっていた。
鷹巨は騙されてるのか、それとも一肌脱いでる共犯なのかと。
< 75 / 268 >

この作品をシェア

pagetop