虹色アゲハ
その結果。
目的のためにヤクザと交際した毒女の手口や、考え付いた状況から…
鷹巨はただの捨て駒でしかないように思えていた。

騙されてるなら、もちろんそうだが…
共犯の方だとしても。


身分を晒してまで、復讐詐欺の片棒を担ぐほど好きなら。
鷹巨の性格や立場や懐具合を分析する限り、恐喝に加担するよりお金を貸す方が自然で。

となると逮捕目的で共謀してる可能性が高いが、詐欺師が利益なしに動くだろうかと。

つまり、恐喝と逮捕の両方を企んでいて…
それなら揚羽と鷹巨のどちらが成功してもお金が入る。
障害者の兄を支えるには1番必要なものだろうと、考え付いたのだ。


そしてその場合、どちらが成功しても鷹巨は切り捨てなければならない。

揚羽が成功した場合、鷹巨から奪ったお金を返さずにネコババするため。
鷹巨が成功した場合、身分を晒してる当人に罪と報復の矛先をなすりつけるため。

訴えられたくなかったらと恐喝して、金銭を奪った挙句。
兄の報復のため、裏切って訴えれば…
約束が違うと報復される危険性が高く。
だとしても、身分を詐称してる毒女だけドロン出来るからだ。
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