虹色アゲハ
そして偽誕生日、当日。

鷹巨は高級フレンチを予約していて…
揚羽はそこでお祝いをしてもらっていた。


「このスズキのポワレ、絶品ですねっ」

「でしょっ?
今が旬だし、僕のお気に入りなんですっ」
ほんとに楽しそうな笑顔をみせる鷹巨を前に…

このあとその笑顔が絶望に塗り潰されるのかもしれないと、可哀想になる。


だとしても、手加減はしないし。
鷹巨のためにも現実を突きつけなきゃと思い直す。



それから食事を終えると、リクエストしていたプレゼントが渡された。

「うそ、ひと通り揃えてくださったんですかっ?
どうしよう、感動です…
しかもチョイスセンスまで最高ですっ」

「喜んでもらえて良かったです。
実は、そうゆうのあんま分かんなくて…
気に入ってくれなかったらどうしようって、内心ドキドキしてたんで」

「いえもう気に入りすぎて、使うのが勿体ないくらいです。
お料理も本当に、びっくりするくらい美味しかったですし…
こんな素敵な誕生日は初めてです」

「ほんとですかっ?
うわそれ、僕の方が嬉しいですっ」
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