黒猫の誘惑❤︎〜甘々任務を遂行せよ〜
黒猫は夜を駆ける


「ねぇ、社長…。」


都内の某高級ホテルのバー。見下ろす景色はどこまでもどこまでも広がる美しい夜景。


「なんだ?」


「そろそろ、部屋にいきましょ…?」


上目遣いでコロコロと喉を鳴らす猫のような声を出す私。

そんな私に社長は口端を三日月型に上げてフッと笑い、ドレスでウエストを締め上げた腰をスマートに抱き寄せた。


「あぁ。そろそろ俺も我慢できなくなって来た。」


社長は端正な顔をフッと緩め、見るもの全てを溶かしてしまいそうな熱い視線を私に向ける。


っ…。


さすが。
甘いマスクで世の女性を惑わせて来た男というだけのことはある。

冷めている心とは裏腹に男に見つめられているところが熱く火照っていくのを感じる。

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