黒猫の誘惑❤︎〜甘々任務を遂行せよ〜
「そんな顔して…なんかあったの?」
かなりのイケメンでおまけに仕事(スパイ業)もできる。そんな九時原さんがモテないはずがない。
配属されたての時に気づいたその事実に、私はこの人との間にある分厚い壁を思い知った。
だからもちろん恋心なんて馬鹿みたいなものは抱いていない。
それでもやっぱり私にとってこの人は特別で、どんな時もこの人に話を聞いてもらえればすぐに楽になる。
「ちょっと嫌な仕事を任されまして…。」
「そうなのか。それは大変だったね。
良かったら飲みにでも行かない?愚痴でも聞くよ。」
「九時原さん…。」
九時原さんはたまにこうやって私を飲みに誘ってくれる。
だから少し、本当に少ーし、九時原さんも私を特別だと思ってくれてるんじゃないかって、勘違いしそうになる。
でも…