黒猫の誘惑❤︎〜甘々任務を遂行せよ〜
王様の言う通り
「ねぇ、一人?」
ガンガンと嫌な振動とともに頭に木霊す派手な音楽。
某高級クラブのVIPホールに私はいた。
本当に一握りの者しか入れない高級クラブのVIPホールというから、てっきり上品な音楽でも流れる優雅な空間を想像していた。
しかしクラブというものに品位を求めた私が馬鹿だった。
実際はただのクラブと変わらない。
違うのは、そこにいる人物たちが只者ではないということだけ。
「ごめんなさい。今取り込み中なの。」
声をかけて来た男に、私はそう返した。
今絡まれるのは面倒くさいからやめて欲しい。