黒猫の誘惑❤︎〜甘々任務を遂行せよ〜
「助けてくれてありがとう。
あなたが、若?」
この男の迫力に内心ドキドキだったが、それを隠して毅然とした態度をとる。
「そ。で、あんたは?」
男は飄々とそう答えると、先程の冷たい表情が嘘のようにイタズラな笑みを浮かべた。
「…アマネ。早川アマネ。」
そう。早川アマネが今回の任務での私の名前。
「……………。」
なぜか男は私の言葉に一瞬顔を顰めた。しかしそれは本当に一瞬で、すぐに先程の胡散臭い笑顔に戻った。
「見ない顔だな。」
「…まぁね。」
今までメディアで見てきた男が今目の前にいる。
その緊張感でいつものペースが崩れ、気の利いた言葉一つ出てこない。