アテナ・イェーガー〜デート、のちにキス〜
優しくロネはアテナに言う。アテナはコクリと頷いてくれた。

アテナのことは誰にも話せない。でも、ロネはアテナに対して特別な感情を抱いている。それは誰にも止めることができないのだ。

「ロネ?こんなところで何してるんだ?」

不意に聞こえたその声に、ロネの肩がびくりと震えた。アテナを離して振り向くと、ネイサンが立っていた。

「ちょっと買い物に……」

ロネはそう言い、立ち去ろうとする。ネイサンは感が鋭い。アテナのことを騒がれるかもしれない。しかし、ロネの腕を「待てよ」とネイサンが掴む。

「顔、真っ青だぞ。体調悪いのか?」

「いや、平気だよ」

そんな会話が数分続き、泣き止んだアテナが「どうした?」とフードを取ってロネの腕を引いた。その刹那、ネイサンの顔色が変わる。

「お前、もしかして……」

ネイサンの言葉にロネは顔色をさらに悪くする。慌ててロネはアテナの手を掴んで走り出した。



アテナの腕を掴んだまま、ロネは走り続ける。そして、海辺の近くまで走ってようやく足を止めた。

「ごめん!急に走り出して……」
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