アテナ・イェーガー〜デート、のちにキス〜
「アテナ!!アテナ〜!!」

アテナの名前を呼びながら、ロネは森の中を歩く。すると、小枝を踏み付けた音が背後からした。ロネが振り向くと、銃を手にしたアテナがいる。

「また来るとは思っていなかった」

少し嬉しそうにアテナはそう言った。ロネは「渡したいものがあってさ」と言いながらドーナツ屋の袋をかばんから出す。

「これ、よかったら食べてくれない?」

「これは?」

袋を受け取ったアテナは、中に入っていたドーナツを取り出して不思議そうな顔をする。アテナのためにロネが買ったのは、ウサギのドーナツだった。

「ドーナツだよ!甘くておいしいんだ」

「……可愛い」

頰を赤く染め、アテナは切り株に座る。ロネも隣に腰掛けた。アテナは恐る恐るドーナツを口にした。

「おい、しい……」

頰を赤く染めながらアテナがそう言ったことに、ロネはとても嬉しくなった。ロネが「よかった」と笑っていると、アテナにジッと見つめられる。美しい赤い瞳で見つめられ、ロネはドキッとしてしまった。
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