アテナ・イェーガー〜デート、のちにキス〜

デートしよう

ロネは用事が片付いたため、またアテナに会いに森に行くようになった。今日も学校が終わると全速力で走って森へと向かう。

アテナに会える、そう思うだけでロネの気持ちは喜びで満ちていく。頰が自然と緩んでいた。

多くの店が立ち並ぶ通りに来た時、チリンチリンとベルの音が鳴り響く。ロネが足を止めると、目の前にパン屋があった。

「ただ今からパンが全て半額になります！さあ、早い者勝ちですよ〜！！」

パン屋の店主がそう言い、姿を見せる。ロネは迷わずにパン屋に入って行った。そしてアテナと食べるためのパンを買う。

今までロネはただアテナに自分のことを話すだけだった。しかし、最近では手土産を持っていく。アテナはいつも手土産に興味を示してくれるため、パンを選ぶロネの胸はドキドキしていた。

パン屋を出てロネは森に入る。そしていつものようにアテナを呼んだ。

「アテナ！今日はパンを持って来たんだ」

「パン……」