アテナ・イェーガー〜デート、のちにキス〜

「俺にいい考えがあるんだ！こうすれば大丈夫！」

ロネの考えた作戦に、アテナは驚いたような目を向けた。



それから数日後の日曜日、ロネは朝から森へと向かっていた。その手には大きな袋を持っていて、初めて使う魔法の呪文を忘れないように何度も唱えながら歩く。

「アテナ、おはよう！」

ロネがそう言うと、アテナは「おはよう」とどこか緊張したような顔を見せた。今日初めて、アテナは街へと出かけるのだ。

「アテナ、まずこれに着替えて」

ロネはアテナに袋を渡した。アテナはその袋を覗き込み、「こんな服着たことがない」と呟く。ロネはアテナに背を向け、彼女が着替え終わるのを待った。

ロネの考えた作戦とは、アテナに変装をさせることだった。普段とは全く違う格好をすれば不安も紛れるのではないかと思ったのだ。

「き、着た……」

恥ずかしそうな声にゆっくりとロネは振り返る。そこには、顔を真っ赤にした可愛らしいアテナがいた。