死にたいくんと生きたいちゃん
『は?』
初体験の幽霊に脅えていた事も忘れて、眼を見開き声のする方をみる。
鉛のような身体を起こして、ゆらりと立ち上がれば霞む視界で彼女に近づく。
『生きていたほうが楽しい、死んでも良いことはないです。
せっかくの一度きりの人生、貴方はまだ若い。
ここで終わらせたらもったいない。』
そう続ける彼女に、俺は口を引き攣らせた。
「バカ言え、お前何なんだよさっきから。
幽霊だかこの世に未練があるんだか、知らないけど
お前に何が分かるんだよ、
俺の考えが、
どう捻ったってお前じゃ理解できる訳がないだろ」
寝てないからなのか、それとも非現実的な事が目の前で起きているからなのか
どちらにせよ俺の頭の中は、幽霊にキレる程にパンクしているらしい。
捻くれている自分は偽善者にしかみえないこの幽霊に、腹が立って仕方なかったのだ。
自分の顔を手で覆いながら泣いている、全身黒ずくめのその女は俺の言葉に顔をあげた。
初体験の幽霊に脅えていた事も忘れて、眼を見開き声のする方をみる。
鉛のような身体を起こして、ゆらりと立ち上がれば霞む視界で彼女に近づく。
『生きていたほうが楽しい、死んでも良いことはないです。
せっかくの一度きりの人生、貴方はまだ若い。
ここで終わらせたらもったいない。』
そう続ける彼女に、俺は口を引き攣らせた。
「バカ言え、お前何なんだよさっきから。
幽霊だかこの世に未練があるんだか、知らないけど
お前に何が分かるんだよ、
俺の考えが、
どう捻ったってお前じゃ理解できる訳がないだろ」
寝てないからなのか、それとも非現実的な事が目の前で起きているからなのか
どちらにせよ俺の頭の中は、幽霊にキレる程にパンクしているらしい。
捻くれている自分は偽善者にしかみえないこの幽霊に、腹が立って仕方なかったのだ。
自分の顔を手で覆いながら泣いている、全身黒ずくめのその女は俺の言葉に顔をあげた。