月が綺麗ですね
他の女の子の髪や服装は褒めるのに、私のことはいつも褒めてくれない。むしろ、「は?髪切ったの?そのワンピース、新しく買ったものなの?」ってめちゃくちゃ鈍感。

さりげなくアプローチをしていた時期もあったけど、やっぱり私はただの幼なじみなんだなって思わされて半ばこの気持ちは諦めている。

「なあなあ、次はここに行こうぜ!」

伊織が私の手を引っ張る。私は「はいはい、はしゃがないの。転ぶよ!」と言いながら幼なじみとして笑うんだ。



それから数時間後、私たちは観光を楽しんで疲れたのでホテルへ向かう。海沿いの新しくできたホテルらしい。

「こんなところに泊まれるんだな」

「チケットをゲットした私に感謝しなさいよ」

そんなことを言いながらホテルの部屋へ。ホテルの部屋は同室でちょっとドキドキしてるけど、向こうは私のこと女としてなんて見てないんだろうな……。そう思うと虚しいんだけど。

「わあっ!景色最高!!」
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