つらい日々を支えてくれたのは課長でした【優秀作品】
 けれど、しばらくして既読は付いたものの、いくら待っても、返信が来ることはなかった。

その後、何度もメールをしたけど、それ以降は既読すら付かない。

ブロック……されたのかな。


 1週間後、私は会社の前で彼が帰るのを待った。
なんとしても捕まえて、ちゃんと説明したい。分かって欲しい。

「大河!」

私は呼び止めるけれど、大河は一瞬足を止めたものの、そのまま歩いて行ってしまう。

 私は慌てて、彼を追いかける。すると……

「うぜぇんだよ。ついてくんな。
 今度また待ち伏せとかしたら、ストーカーで
 訴えるからな」

大河は吐き捨てるように言って、去って行った。

なんで、こんなことになったの?


 私は、諦めきれずに、翌日も彼を待った。

 けれど、彼は中からは現れず、代わりに警察官が駅の方から歩いてきた。

「三沢 有紗さんですね?」

「……はい」

まさか、本当に通報したの?

「ストーカー被害の通報がありました。
 署までご同行願えますか?」

 私は、そのまま駅前の交番まで連れて行かれ、事情を聞かれてお説教をされた。


 幸い、通報だけで被害届は提出されていなかったので、逮捕や処分はなかったけれど。


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