策士な御曹司は真摯に愛を乞う
煽られる胸の鼓動
リビングで鏑木さんを見つけられず、私は闇雲に走り回った。
まだ、どこになんの部屋があるかもわからないから、彼の名を呼びながら、片っ端からドアをノックして回っていると。
「黒沢さん、こっち」
リビングの奥、螺旋階段の中ほどまで降りてきた鏑木さんが、ひょいと身を乗り出していた。
私は反射的に大きく顔を上げて、彼を仰ぐ。
「どうしたの。賑やかだね」
きょとんとした顔で首を傾げるのを見て、急いで螺旋階段を上った。
「か、鏑木さんっ……!」
「俺の書斎とメインベッドルーム、この上にあるんだ。在宅中はリビングにいなければ上にいるから、そんなに捜し回らなくていいよ」
「あのっ! 服。し、下着……!」
鏑木さんの説明に反応する余裕もなく、私は息を切らして、自分の言いたいことだけ口にした。
「え?」
「服はともかく……どうして下着のサイズまで完璧なんですか!?」
息を乱し、慌てふためいて質問をぶつける私に、彼はパチパチと瞬きをして……。
「……ああ」
なにやら意地悪に目を細め、口角を上げた。
「完璧だった? それならよかった」
「よかった、じゃなくて、意味不明です!」
私は真っ赤な顔で言い募る。
さすがに鏑木さんも、私の勢いの前で、わずかに背を仰け反らせた。
そして。
「……くっ」
小さく吹き出し、肩を揺すって笑い出す。
まだ、どこになんの部屋があるかもわからないから、彼の名を呼びながら、片っ端からドアをノックして回っていると。
「黒沢さん、こっち」
リビングの奥、螺旋階段の中ほどまで降りてきた鏑木さんが、ひょいと身を乗り出していた。
私は反射的に大きく顔を上げて、彼を仰ぐ。
「どうしたの。賑やかだね」
きょとんとした顔で首を傾げるのを見て、急いで螺旋階段を上った。
「か、鏑木さんっ……!」
「俺の書斎とメインベッドルーム、この上にあるんだ。在宅中はリビングにいなければ上にいるから、そんなに捜し回らなくていいよ」
「あのっ! 服。し、下着……!」
鏑木さんの説明に反応する余裕もなく、私は息を切らして、自分の言いたいことだけ口にした。
「え?」
「服はともかく……どうして下着のサイズまで完璧なんですか!?」
息を乱し、慌てふためいて質問をぶつける私に、彼はパチパチと瞬きをして……。
「……ああ」
なにやら意地悪に目を細め、口角を上げた。
「完璧だった? それならよかった」
「よかった、じゃなくて、意味不明です!」
私は真っ赤な顔で言い募る。
さすがに鏑木さんも、私の勢いの前で、わずかに背を仰け反らせた。
そして。
「……くっ」
小さく吹き出し、肩を揺すって笑い出す。