契約結婚!一発逆転マニュアル♡
依舞稀の細い腰を力強く引き寄せると、遥翔のボルテージはものすごい勢いで上がっていく。

「まさか依舞稀から誘われるとは。光栄だな」

遥翔がニヤリと笑いながら言うと、依舞稀は顔を真っ赤にして「誘ってないっ」と今さらながらに意地を張る。

「徐々にっ。そういうのは徐々に段階を踏んでからにしましょっ」

なんとなく身の危険を感じたのか、依舞稀は急に遥翔の腕から逃れるべく藻掻き始めた。

確かに遥翔との関係を進めたいと思い、オブラートに包んだ物言いで気持ちを伝えてみたものの、まるで営みだけを求めているように解釈されてしまったのではないかと心配になってしまったからだ。

「今さら何言ってんだ。俺は十分紳士的に依舞稀の気持ちを考慮して我慢してんだぞ?こんな好機、逃すはずないだろ」

依舞稀を逃すまいと、遥翔は立ちあがって軽々と抱っこすると、何の躊躇もなく寝室に向かっていく。

「遥翔さんっ、ヤダ、待って」

「待たない」

「おろしてってば」

「おろさない」

「へんたいぃ」

「誰が変態だ」

もう依舞稀が何を言っても遥翔は決して離そうとはしなかった。

寝室のドアを開け、遥翔は依舞稀をベッドに押し倒した。

「きゃ……」

軽く悲鳴を上げた依舞稀に跨ると、初めてのシチュエーションに遥翔のぼるてボルテージが一気に加速してしまいそうになる。

しかし、自分の下にいる依舞稀は、顔を真っ赤にして潤んだ目で遥翔を見つめながらも、肩をすぼめて不安を全身で表している。

これで己の欲のままに抱いてしまったら、きっと依舞稀を傷付けることになる。

遥翔は覆いかぶさりそうになる自分を、砕ける寸前の理性で何とか抑えた。
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