契約結婚！一発逆転マニュアル♡
八神の推測通り、彩葉は依舞稀の故郷でいろんなことを探っていた。

大人しくしておけばよかったものを、確立された負けん気の強さから、完全に引き下がれなくなってしまったのだ。

自分のプライドを傷つける人間は、たとえ誰であろうとも許すわけにはいかない。

自分の理想のプラン遂行に邪魔なものは、全て排除しなければ気が済まない。

全ては自分中心に回らなくては満足できない。

決して幸せになれそうにない性格であるが、本人自身それに気が付いていないのだから仕方がない。

彩葉の家族でさえ、それが一人娘の性であると甘やかしているのだからどうしようもないのだ。

この間の依舞稀の権勢に怯えてしまい、千里と渚は彩葉と距離を取るようになってしまった。

もともと専務の娘であることをひけらかして、取り巻きにしたようなものなので、更に立場の強い依舞稀の登場により去っていくのは仕方のないことでもあった。

しかし彩葉はそれすらも気に入らない。

自分はホテルキリガヤにコネ入社した時から遥翔に一目惚れをした。

もちろん完璧なルックスと財産も要因の一つではあるが。

そんな遥翔を、できることならば堕とせと父親に言われ、父親自ら彩葉を遥翔に紹介したこともあった。

全く相手にされなかったことが、どれだけ彩葉のプライドを傷付けたか、遥翔はきっと考えもしないだろう。

それは無理もないことだ。

彩葉に微塵も興味がないのだから。
< 125 / 230 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop