契約結婚!一発逆転マニュアル♡
思わず「ごめんなさい」と口にすると、父は慌てて「違うんだ」と首を振った。

「依舞稀が自分の将来を、ちゃんと真剣に考えているんなんて知らなかった、という意味だよ。成長したね、依舞稀」

「パパ……」

思いがけない父の言葉に、依舞稀は胸が熱くなっていくのを感じた。

今まで一度だって自分と同じ道に進めと強要されたことがあっただろうか。

そんなことがあったならば、きっと自分はこんなに思い悩まなかったのではないだろうか。

自分は今まで父の何を見てきたのだろうと締め付けられる思いがした。

「依舞稀はお父さんとお母さんの気持ちを考えて悩んでくれたんだろう?その気持ちはとても嬉しい。でもね、自分の人生は自分だけのものなんだ。何も気にせず、自分の夢に向かって真っすぐに進みなさい」

そう言って優しく笑ってくれた父の顔は、きっと一生忘れないだろうと依舞稀は思った。

両親の後押しと協力もあり、依舞稀は進路を決め無事に進学することになった。

大学の四年間でできることや、必要な資格や就職時に有利になりそうな資格は、可能な限り取得した。

特にホテルビジネス資格検定やサービス接遇検定、マナー・プロトコール検定などは徹底的に勉強し、かなりの好成績であったと聞かされた。

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