契約結婚!一発逆転マニュアル♡
順風満帆に進んでいく依舞稀の人生に、一つだけ足りないものがあるとすれば。
「うちのカレってば昨日さぁ……」
「わかる~」
「うちのはほんっと最悪だよ~」
「依舞稀は彼氏いないの?」
それは恋バナに参加できるような経験をしたことがないことだろうか。
依舞稀とて、恋の一つもしたことがない程の子どもではない。
人並みの経験くらいはしていると思う。
しかし依舞稀の側には常に三歳上の幼なじみ、日村光星(ひむらこうせい)という男がいた。
男性と大々的に進展できないのは、この光星のせいでもあったのだ。
そこそこに整った顔をしていた光星は、それなりに異性からの人気があったが、彼の目には依舞稀しか映っていなかった。
人として誰からも好かれる性格を好きになったのか。
誰もが認める外見の愛らしさからくるものなのか。
はたまた親が開業医で財力があるからなのか。
それは定かではない。
依舞稀の全てが好きだという光星の言葉を、依舞稀はいまいち信じられずにいたのだ。
それなりの距離を取りつつ、それでも光星を傷付けることがないように、良好といえるであろう関係を築いている。
ただ一つ問題なのは、どうやら光星は自分の友人たちには、依舞稀と付き合っていると吹聴しているらしいことだ。
依舞稀はそれに気が付くたびに訂正して回るのだが、光星はそれを照れ隠しだと思っている節があるようだった。
「うちのカレってば昨日さぁ……」
「わかる~」
「うちのはほんっと最悪だよ~」
「依舞稀は彼氏いないの?」
それは恋バナに参加できるような経験をしたことがないことだろうか。
依舞稀とて、恋の一つもしたことがない程の子どもではない。
人並みの経験くらいはしていると思う。
しかし依舞稀の側には常に三歳上の幼なじみ、日村光星(ひむらこうせい)という男がいた。
男性と大々的に進展できないのは、この光星のせいでもあったのだ。
そこそこに整った顔をしていた光星は、それなりに異性からの人気があったが、彼の目には依舞稀しか映っていなかった。
人として誰からも好かれる性格を好きになったのか。
誰もが認める外見の愛らしさからくるものなのか。
はたまた親が開業医で財力があるからなのか。
それは定かではない。
依舞稀の全てが好きだという光星の言葉を、依舞稀はいまいち信じられずにいたのだ。
それなりの距離を取りつつ、それでも光星を傷付けることがないように、良好といえるであろう関係を築いている。
ただ一つ問題なのは、どうやら光星は自分の友人たちには、依舞稀と付き合っていると吹聴しているらしいことだ。
依舞稀はそれに気が付くたびに訂正して回るのだが、光星はそれを照れ隠しだと思っている節があるようだった。