人間ランク



20✕✕年、より良い人材を育てるために人をランク付けする『人間ランク』が始まった。





「ねぇ喉乾いた〜。何か買ってきて〜!」




「は、はい・・・・・。分かりました・・・・・。」





「ダッシュで。3分で買ってきて。」





「はい・・・!」





小池の走っていく足音が消えると、アタシは小さくため息をついた。





「ちょっと澪奈ー!小池のことパシリ過ぎ〜!」





「いいじゃない。アイツはアタシの奴隷なんだから〜♪」





「おっ!言うね〜!澪奈は!」




アタシの名前は、金泉 澪奈(かねいずみ れいな)。





父親が高級ホテルを経営している金泉財閥の一人娘だ。




財閥の娘だから、みんながアタシに従ってくれる。




まぁ、逆らったらただじゃおかないけど!





「か、買ってまいりました!澪奈様!」




「遅い!2分遅刻!まぁ、いいや。そこ置いといて〜。」




「はい・・・・・・。」




私のことを澪奈様と呼んでいるのは、クラスメイトの小池 希実子(こいけ きみこ)。





アタシが遊んでいる道具であり、ホテルで働いている従業員の下っ端の娘だ。




アタシの頼みで召使いとして働かせている。





まぁ、ストレス発散として遊べるから良いんだけどね〜♪




アタシのランクは、有名な財閥だからか生まれた時から最もランクの高いSだった。





ちなみに希実子は最も位の低いF。




差の違いに思わず笑いが込み上げる。





まぁ、アタシは一生Sランクの人間だけど!




「あ、2分遅れた罰ね。」




希実子が怯えた表情をする。





アタシは取り巻きを引き連れ、人目につかない空き教室へと向かった。

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