ステラ✩アリエ
エメラルドの光
それからどれほど経っただろうか……。
ラクレス様、リンちゃん、ミライが部屋から出ていき、部屋には、静かな空気が流れている。
「……アカネ?」
「…………。」
アカネとカナタはベッドの脇に座っている。
「……ユラ。」
「ん?…どうしたの。」
アカネの目が訴えてくる。
あぁ。
もしかして……あのこと?
「カナタには、……話したの?」
「うううん。まだだよ。」
カナタは、話の意味が分からないといった顔で、話を聞いている。
「……ユラ?どうしたの。」
カナタはいつものように優しく話しかけてくれる。
「…………カナタ、さ。
ヴァルゴ王国の村で私を助けてくれた時、
『どうしてアリエス王国のプリンセスがここにいるの?』って聞いてきたでしょう?」
「うん。そうだけど……。」
カナタは、真剣に聞いてくれている。
今こそ言うべきだよね。
「……私…ね。
城を……抜け出して来たの……。」