ステラ✩アリエ

ドッカーンッッッゴロゴロゴロゴロッッッ

プシュゥゥゥゥゥゥ………………。

「ごめん。止められなかった。」
「いいや。ミライのせいじゃない。」

「えへへ。」

ミライとカナタは、肩を組んでドンマイと言い合っている。

「リンちゃん、ダメだよ。
部屋に突っ込んじゃ」
「ごめんなさ〜い。
ユラちゃんが目覚ましたって聞いてね!
会いたくなっちゃったから!」

可愛いヤツめ。

リンちゃんをなでなでしていると、

「久しぶり。ユラ。」
「ユズハ、久しぶり。」

キャラメル色のポニーテールを揺らして、ユズハは部屋に入ってくる。
その後ろから、カイア王子も登場。

「お久しぶりです。ユラ姫。」
「カイア王子。久しぶりです。」

カイア王子は、膝をつき、私の左手をとって、そっとキスをした。

「…………ユラ姫。毒をうけていらっしゃる?」

スンスンと鼻をピクピクさせるカイア王子。

「そう……です……け…ど。」

あれ……?

「え……ユラ……大丈……?横に……な…た……いい……じゃ…………。」

ユズハの声が遠い……。

なぜか分からないけど、どっと疲れが押し寄せてくる。

さっき寝たから大丈夫だと思ってたのに……。

薄らと見える外の世界。
部屋には、医者と思えるおじいさんが、私の脈をとったり、呼びかけている。

『私は大丈夫だよ。』

そう伝えても届かない。

私の目の前に、闇が広がった。


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