みえない光りを探す君を、愛おしいと思った。
自分で言うのもどうかと思うけど、俺は中学の時からモテていた。
でも、どんなやつに告られても、なにも感じなかったし、正直恋愛なんてどーでもよかった。

でも、茉莉に会った時、たしかに感じた胸の高まり。
運命だと思った。

話せば話すほど可愛くて、愛おしくて。
気づけばいつも隣にいた。








俺のものにしたいと、本気で守りたいと、心の底から思った、最初で最後の女。








絶対手放さない。








「茉莉」









「?」









さっきまで真っ赤だった顔はもういつも通りで、今は不思議そうな顔で俺を見つめる。







何も言わずに茉莉の手を握ると、また顔を赤くして俯いている。








「野中、ずるいね」






その言葉と同時にギュッと握り返された手。
小さいな…






そんなことを思いながら、また歩き始める。








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