遠く、近く、君を。
溢れる涙を拭い、周りを見渡す。
静かで、だれもいない。
少し歩いてみると川がありその上に橋がかかっていた。こんな真夜中に人がいるわけもなく、わたしは橋の上に行ってみた。
下の川を眺めながら思った。これからどうなるんだろう。全財産の200万はさっきの男達にあげて1円もないしスマホも面倒なことになりそうだから手放してきたし。
そして寝る場所もない。あと何日生きられるか、と思うほどいまのわたしは大変な状況に陥っていた。
でもそれよりも頭をよぎるのは母親に言われた言葉だった。疫病神、か。嫌なことを思い出しこのまま川に飛び込んで死んでやろうかと本気で思っていると、ふいに足音がきこえた。
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