遠く、近く、君を。
まさか、さっきの男たち…?
怖くなって振り向けないでいると、あまりにも優しい声が降ってきた。
「こんな時間に1人で何してんの」
その優しくて柔らかい声に思わず振り返ると、そこにはあまりにも予想外すぎる人物が立っていた。
それはいま日本で、いや世界でも知られている有名アーティスト、レイだった。最近は俳優業でも活躍していてイケメンで甘い声を響かせるレイを大好きな女性ファンはとてつもなく多かった。そんな人物がわたしなんかに話しかけているなんて正直びっくりだ。きっと他の女性なら悲鳴をあげているだろう。でもわたしはレイに興味はなかった。だから、レイの問いかけにも答えずまた川へと目を向けた。
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