片思いのあなたに再会してしまいました
周囲からの視線が突き刺さり、驚いて固まっている2人に代わってすみません、すみませんと周囲にペコペコと頭を下げた。

「まあ、驚くよね。」

私はバツが悪く頬をポリポリとかき、沙織が先程落下させたマッシュルームを拾いお皿に乗せた。
2人はぜえぜえとしながらなんとかドリンクを口に含んで落ち着くと今度は大質問攻めタイムがやってきた。

「なんで、どうして！あんなに6年間避けまくってもう一生関わらないくらいの勢いだったのに、どうしてこうなった！？」

「なんというか、運命のいたずら……もはやこれは運命なのでは？」

「いーや、それなないね。ここまで詩織を苦しめた苦い思い出よ。あいつはいい先輩だったけど男としてはダメ！」

真帆と沙織がヒートアップし口論を始めてしまいそうなのでなんとか2人を制した。

「まあまあまあ、ただ取引先として再会してしまったってだけの話だよ。ビジネスの相手として、まあ、うまくやるよ。」

うまく笑ったつもり、だけど2人は一番の大親友で、誰よりも私のことを理解している。
私の表面上のごまかしの気持ちなんてきっとバレバレだ。

「いいの、無理しないで。本当はそんなこと全然思えてないってわかってるんだから。例えしばらく会ってなかったとしても、私たちの前で取り繕ったりしないで。」

据わった目で真剣に告げられ、沙織の言葉に真帆もうなずいている。
2人のそういうところが好きだなぁと思う。

「ありがとう。」

「そういうところが好きでしょ？」

「一言余計！！」

1年会っていなかったブランクなんて全く関係なくそれからは本音でとことん語り合った。

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