片思いのあなたに再会してしまいました
「で、ぶっちゃけどうなの?告るの?」

「そーだよ27になるまで拗らせちゃった恋心だよぉ〜、今更どうやって処理するの〜」

久しぶりの恋バナに胸焼けしそう。

「うーん、なんかもうブランクありすぎてどこから考えていいのかわかんないわ。」

実際自分でもわからないのだ、どうすればいいのか。
大学時代に遡って話をしていたらなんとなく昔の甘酸っぱくて苦い思い出が蘇ってきた。



恋をしてしまった。
それを実感したあとの私の行動は早かった。
当時は華も盛りの女子大生、しかも2年生。
これから彼氏もできるだろうと思っていた頃だったし、先輩に彼氏になってもらいたいという一心だった。

当時から大の仲良しだった2人にも相談をして、何をすれば振り向いてもらえるかなと考えまくった。

誕生日のプレゼントを一生懸命考えて、渡しに行く時は死ぬほどドキドキした。
次の月には2人でご飯を食べに行きたいとなかなかLINEが送れなくて、結局真帆に送信ボタンだけ押してもらった。
念願の2人きりのご飯ができた時は死ぬほど幸せだった。
何を話せばいいのかと悩んでいたけれど、思ったより会話も弾んで、終電まで2人で話し込んだ。

それからは少し自信もついて、2人きりでご飯にも何度か行ったし、デートも2回した。
3回目で告白すれば成功するというジンクスを信じて、12月イルミネーションが光る中で告白しようと決意した。
2人からたくさんの応援をもらって、告白の言葉も考えて、けれど結局言い出せなかった。
いつもに比べてだいぶぎこちなかった私の様子を見て恭さんに気づかれてしまったかもしれない。
その日は悔しくて、情けなくて、電車でも人目を憚らず泣いた。
その後も2人きりで一日中過ごしたこともあったけど、すべては自分の勇気のなさが原因で思いを告げられなかった。



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