片思いのあなたに再会してしまいました
私はあくまでもオブラートに包みつつ、それとなくことの詳細を話した。
「実は担当バイヤーの方が知り合いで、大学の先輩だったんです。でも、なんというか、どことなく気まずい感じの先輩で………。
その人相手にいろいろ交渉したりとか、懐に入ったりとかできるかなぁと思いまして。」
「なるほどね。まあビジネスと割り切るしかないんじゃないかな。そういう時に無理に親しくなろうとすると自分に労力が降りかかるでしょ。それならその分をいい提案することに回した方が俺はいいと思う。現に今めちゃくちゃそのことで悩んでるみたいだけど、提案はちゃんと具体化されてるの?」
「うっ、手厳しいお言葉です。
先方はまだアイデアくらいの段階でいいっておっしゃってたんですが……」
「すぐに具体化できないようなアイデアは俺の経験上やっぱり弱いと思うよ。どんどん形にして外堀を埋めたくなるくらいの強力なやつを用意しておいた方が今後も楽だよ。」
「ですよね………。」
片倉さんのアドバイスは厳しいけど的確だ。
実際に自分が好きとか嫌いとかそういう感情も抜きにして恭さんにはこいつ仕事できるなって思われたい。
よし!
悩んだって答えが出ないのはこの土日で証明済なんだから今はとにかく仕事をしよう。
私は前回の商談で提示された、今年秋に予定されている某アイドルグループとのコラボフェア商品の考案を急いだ。
日野さんとも話し合いを重ねて、何個か具体的なアイデアを出すことができた。
そしてあっという間に商談の日を迎えた。
やはり気持ちは重いが、私はビジネスでやってきたんだ!と言い聞かせて前回と同じ小会議室で、まるでこれから戦闘をするかのような気分で待機した。
そんな私の様子を日野さんは心配そうに、だけど少し可笑しそうに見ていた。
「実は担当バイヤーの方が知り合いで、大学の先輩だったんです。でも、なんというか、どことなく気まずい感じの先輩で………。
その人相手にいろいろ交渉したりとか、懐に入ったりとかできるかなぁと思いまして。」
「なるほどね。まあビジネスと割り切るしかないんじゃないかな。そういう時に無理に親しくなろうとすると自分に労力が降りかかるでしょ。それならその分をいい提案することに回した方が俺はいいと思う。現に今めちゃくちゃそのことで悩んでるみたいだけど、提案はちゃんと具体化されてるの?」
「うっ、手厳しいお言葉です。
先方はまだアイデアくらいの段階でいいっておっしゃってたんですが……」
「すぐに具体化できないようなアイデアは俺の経験上やっぱり弱いと思うよ。どんどん形にして外堀を埋めたくなるくらいの強力なやつを用意しておいた方が今後も楽だよ。」
「ですよね………。」
片倉さんのアドバイスは厳しいけど的確だ。
実際に自分が好きとか嫌いとかそういう感情も抜きにして恭さんにはこいつ仕事できるなって思われたい。
よし!
悩んだって答えが出ないのはこの土日で証明済なんだから今はとにかく仕事をしよう。
私は前回の商談で提示された、今年秋に予定されている某アイドルグループとのコラボフェア商品の考案を急いだ。
日野さんとも話し合いを重ねて、何個か具体的なアイデアを出すことができた。
そしてあっという間に商談の日を迎えた。
やはり気持ちは重いが、私はビジネスでやってきたんだ!と言い聞かせて前回と同じ小会議室で、まるでこれから戦闘をするかのような気分で待機した。
そんな私の様子を日野さんは心配そうに、だけど少し可笑しそうに見ていた。