片思いのあなたに再会してしまいました
それでは、と会議室を後にしオフィスの外に出た際、ペンがないことに気がついた。
大学の入学祝いで買ってもらった良い万年筆だ。
おそらく何かの弾みで落としちゃったかな。
「日野さん、すみません忘れ物をしてしまったみたいで。日野さん次急ぎですよね。先に行ってください!」
「あら、りょーかい。それじゃあお疲れ様〜」
日野さんとオフィス前で別れて、受付へと向かった。事情を説明し入構証をもらったところでエレベーターホールの方から石田!と言う声がしたので振り返るとそこには恭さんが立っていた。
手には私の万年筆。
「すみません、わざわざ!」
ゲートから出てきた恭さんに駆け寄りお礼を告げると全力で追いかけてきてくれたようで肩で息をしていた。
「いや、間に合って良かったよ。それ石田のだろう?まだ使ってるのか。」
こんな些細なことを覚えていてくれたということにときめいてしまって、ビジネスの顔ではいられなくなってしまうような気がして焦った。
「わ、私のです。大切なものだったので、ありがとうございました。あの、それではまた2週間後に。」
わざわざ追いかけてきてくれたことに対しては少し素っ気ない対応だとは思ったが、これ以上は無理だ。そう判断して足早にその場を立ち去ろうと思ったが腕をガシッと掴まれた。
「あのさ、ちょっとだけ時間ある?」
大学の入学祝いで買ってもらった良い万年筆だ。
おそらく何かの弾みで落としちゃったかな。
「日野さん、すみません忘れ物をしてしまったみたいで。日野さん次急ぎですよね。先に行ってください!」
「あら、りょーかい。それじゃあお疲れ様〜」
日野さんとオフィス前で別れて、受付へと向かった。事情を説明し入構証をもらったところでエレベーターホールの方から石田!と言う声がしたので振り返るとそこには恭さんが立っていた。
手には私の万年筆。
「すみません、わざわざ!」
ゲートから出てきた恭さんに駆け寄りお礼を告げると全力で追いかけてきてくれたようで肩で息をしていた。
「いや、間に合って良かったよ。それ石田のだろう?まだ使ってるのか。」
こんな些細なことを覚えていてくれたということにときめいてしまって、ビジネスの顔ではいられなくなってしまうような気がして焦った。
「わ、私のです。大切なものだったので、ありがとうございました。あの、それではまた2週間後に。」
わざわざ追いかけてきてくれたことに対しては少し素っ気ない対応だとは思ったが、これ以上は無理だ。そう判断して足早にその場を立ち去ろうと思ったが腕をガシッと掴まれた。
「あのさ、ちょっとだけ時間ある?」