片思いのあなたに再会してしまいました
私は何も言えない。
その通りだから。
みんなのことが大好きで、会いたいけど、恭さんのことを言い訳にして逃げ続けていたらみんなに会うのも怖くなってしまったのだ。
「あとさ、真帆の結婚式もさ、二次会いなかっただろ?あんなに仲良かったのに変だなって思ったんだよ。」
ついに核心をつかれた。
真帆が2年前に結婚式を挙げた際、確実に恭さんと会ってしまうことを危惧していたけれど、真帆から彼がどうしても来れないという話を聞いて参加を決めた。
しかし当日になって、彼が二次会から参加するという情報を聞いてしまい、心の準備ができていなかった私は二次会をキャンセルしてしまった。
確かに私たちの仲だったら二次会に参加しないなんてことは絶対にあり得ないはずだった。
「あの、別に不仲とかそういうわけではないんです。本当に体調が悪くなってしまって。」
「そっか……。残念だったな。」
多分彼は勘付いている。色々なことを総合的に判断して、私が彼を避けているということに。
それなら放っておいて欲しいんだけど……
私は黙ってビールを飲んだ。
こういう形で再会してしまったのは思わぬ誤算だったけど、でも彼とやり直す上で新しいビジネスパートナーという関係性を神様は与えてくれたのではないだろうか。
私は最近はこんな風にこの再会をポジティブに考えるようにしていた。
だからやっぱり、ちゃんとこの関係を貫き通さなければ。
「あの、今はこうして東京に戻って来たし、サークルの同窓会もちゃんと顔を出すつもりです。恭さんともこうしてビジネスパートナーとして再会することができましたし……。だからこれからもよろしくお願いしますね。」
私はビジネスの微笑みで押し切った。
幸い飲み始めてもう2時間半は経過しているし、今日はまだ月曜日だ。
明日が早いという言い訳をして席を立つことにした。
財布からお金を取り出してテーブルに置くと、恭さんは俺から誘ったんだから良いよ、としきりに断って来たけれど、そこは私がしっかりと線引きをしたかった。
「いえ、これからもお仕事でお付き合いさせていただくわけですから甘えるわけにはいきません。それでらまた2週間後、よろしくお願いいたします。
また何かありましたらご連絡差し上げますね。
今夜はありがとうございました。失礼いたします、柴田さん。」
あくまでもビジネスを強調した。呼び方も柴田さんに戻した。
自分でも可愛くないなと思うけれど仕方ない。
今更可愛いと思われたって仕方ないし、それなら対等に見られたい。
飲み会を終えるにはまだ早い時間帯なので街にはまだ人が溢れている。
心の中で複雑に渦巻く感情を押さえ込むにはまだ飲み足りない。
私はコンビニに寄って缶チューハイを買ってから帰路についた。
その通りだから。
みんなのことが大好きで、会いたいけど、恭さんのことを言い訳にして逃げ続けていたらみんなに会うのも怖くなってしまったのだ。
「あとさ、真帆の結婚式もさ、二次会いなかっただろ?あんなに仲良かったのに変だなって思ったんだよ。」
ついに核心をつかれた。
真帆が2年前に結婚式を挙げた際、確実に恭さんと会ってしまうことを危惧していたけれど、真帆から彼がどうしても来れないという話を聞いて参加を決めた。
しかし当日になって、彼が二次会から参加するという情報を聞いてしまい、心の準備ができていなかった私は二次会をキャンセルしてしまった。
確かに私たちの仲だったら二次会に参加しないなんてことは絶対にあり得ないはずだった。
「あの、別に不仲とかそういうわけではないんです。本当に体調が悪くなってしまって。」
「そっか……。残念だったな。」
多分彼は勘付いている。色々なことを総合的に判断して、私が彼を避けているということに。
それなら放っておいて欲しいんだけど……
私は黙ってビールを飲んだ。
こういう形で再会してしまったのは思わぬ誤算だったけど、でも彼とやり直す上で新しいビジネスパートナーという関係性を神様は与えてくれたのではないだろうか。
私は最近はこんな風にこの再会をポジティブに考えるようにしていた。
だからやっぱり、ちゃんとこの関係を貫き通さなければ。
「あの、今はこうして東京に戻って来たし、サークルの同窓会もちゃんと顔を出すつもりです。恭さんともこうしてビジネスパートナーとして再会することができましたし……。だからこれからもよろしくお願いしますね。」
私はビジネスの微笑みで押し切った。
幸い飲み始めてもう2時間半は経過しているし、今日はまだ月曜日だ。
明日が早いという言い訳をして席を立つことにした。
財布からお金を取り出してテーブルに置くと、恭さんは俺から誘ったんだから良いよ、としきりに断って来たけれど、そこは私がしっかりと線引きをしたかった。
「いえ、これからもお仕事でお付き合いさせていただくわけですから甘えるわけにはいきません。それでらまた2週間後、よろしくお願いいたします。
また何かありましたらご連絡差し上げますね。
今夜はありがとうございました。失礼いたします、柴田さん。」
あくまでもビジネスを強調した。呼び方も柴田さんに戻した。
自分でも可愛くないなと思うけれど仕方ない。
今更可愛いと思われたって仕方ないし、それなら対等に見られたい。
飲み会を終えるにはまだ早い時間帯なので街にはまだ人が溢れている。
心の中で複雑に渦巻く感情を押さえ込むにはまだ飲み足りない。
私はコンビニに寄って缶チューハイを買ってから帰路についた。