片思いのあなたに再会してしまいました
「それってなんとなく気まずいって言ってた人だろう。無理やり誘われたんじゃないの?」

そいいえば片倉には限りなくオブラートに包んでお話ししたためそのような伝え方をしてしまっていた。
確かに気まずいけど、これは私の一方的な感情だから恭さんは悪くない。
同じエブリデイの担当をしている片倉さんに、エブリデイ社員の恭さんの印象を悪くするようなことはいけない。

「いえ!違うんです!確かに気まずいってのはありますけど一方的に私が思っているだけで、彼は本当にいい人ですから。」

彼という言葉に片倉が反応を示した。

「相手男性か…。それで石田さんが一方的に気まずいって、昔好きだったとかそう言う感じ?」

思わず言い当てられて体がびくっとした。
さすが敏腕営業マンというだけあり、勘がものすごく鋭い。
私はすぐに顔に出ると言われるほど、誤魔化したりすることが苦手だから、きっと今の反応で図星だと伝わってしまっただろう。
そして図星か…と呟いた後以前として難しそうな顔をしている。

「石田さんは、まだその人のことが好きなの?だからやりづらいって思うの?」
「……わ、わかりません。思いを告げられないままだったからそのことでもやもやしてしまうんだと思います。だけど今でも好きなのかは…。」

私はなぜ職場の先輩、しかも男性にこんな話をしてしまっているのか。
けれど頭が恭さんのことでいっぱいで、とにかく誰かに吐き出したかったのかもしれない。

「じゃあさ、俺にもチャンスはあるよね?」

いきなり衝撃的な言葉が聞こえてきた気がして、俯いていた顔を上げると片倉さんはにっこりと笑いこう続けた。

「俺、石田さんのこといいなって思ってるんだよね。どうやら取引先の元先輩とは訳ありの様子だし。どうかな?」


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