片思いのあなたに再会してしまいました
「私にも何がなんだかわからないんだよ。恭さんと再会しちゃったってことだけで頭いっぱいなのにその上片倉さんまで……。」

私は盛大にため息をつくとテーブルに突っ伏した。
なぜこのような状況になっているのか、全く理解が追いつかないのだ。

「それで、どうすんの？詩織はどうしたいの？」

真帆は枝豆を食べながら私に問いかけてくる。

「本当にわからない。私恭さんのことまだ好きなのかどうか、自分の感情すら把握できないの。だけど恭さんはもうお仕事の相手だし…。仮に好きなんだとしても伝えようとは思わない。ただビジネスパートナーとして向き合いたい。」

わからないなりに自分の中で整理したが、恭さんと会って抱く私の気持ちは、好きな気持ちが伝えられなくて辛かったあの時の自分の気持ちではなくいと思う。
その頃の自分の辛かったという感情だけがフラッシュバックしてくる辛さ、いわば苦い思い出に触れる辛さじゃないかと思っている。
だから多分、好き、ではないと思う。これはもしかしたら向き合う現実から目を背けているからかもしれないけど。

「でもさ、片倉さん？だっけ？その人は詩織にとっていい機会になるんじゃない？」

沙織がそう言うので私は、？を浮かべて彼女を見る。

「恭さんはいい先輩だし好きだけど、詩織とのことになると嫌いなの。
だって恭さんは明らかに詩織の思いに気がついてた。
結局思いを伝えたなかったのは詩織だけど、その後詩織が同窓会に来ないのだってどこか自分に原因があるってわかってるはず。
それなのに無神経になんで来なかったのかなんて聞くなんて。
片倉さんとの恋愛を真剣に考えることで、恭さんとはちゃんと仕事の相手として割り切れるんじゃない？」

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