片思いのあなたに再会してしまいました
「すみません、本当に嬉しくて。ほんとに、ほんとに、ありがとうございました。」
私が泣いているということは、きっと恭さんにも伝わってしまっている。
取引先に対して電話口でこんなに泣いてしまうなんて社会人としては失格だけど、どうしても止められなかった。
「いえ、いえ。俺もすごく嬉しいんです。本当にありがとうございます。
あの、その、良かったな、石田。」
電話口から聞こえてきた恭さんの声は、まるで昔に戻ったようで。
今までは封印してきたけれど、今日ばっかりは柴田さんじゃなくて恭さんとして接してくれることがすごく嬉しかった。
自分からビジネスパートナーとして割り切ったくせに現金だ。
「ありがとうございます、恭さん。」
そう言うと、恭さんは言葉を詰まらせたように感じた。
しばらくは今後についてなど仕事の話をして私も気を取り直してしっかりとメモをとった。
そして最後になる頃
「あの、初めて企画が成功したわけですし、祝勝会しませんか?」
と言われた。
私は正直どうしていいか迷った。
気持ち的にはしたい。
だけど私は既に片倉さんとお付き合いをしているし、2人きりで会うのは浮気になってしまうのかな?
ビジネスの相手だからと言っても、過去に好きだった男性と2人きりでご飯に行くのは、私が片倉さんの立場だったら嫌かも。
「あの、すみません。今お付き合いしている男性がいて、2人きりで会うのはちょっと。せめて彼に聞いてからのお返事でもいいですか?」
そう私が告げると恭さんは沈黙してしまい自意識過剰だったかなとドギマギしていると、しばらくして
「あの、すみません何も考えずに……。
そういうことでしたらぜひまたの機会にしましょう。日野さんが戻られた頃にでも。」
その声が少しさみしげに聞こえて、私は胸ズキっと痛んだ。
私が泣いているということは、きっと恭さんにも伝わってしまっている。
取引先に対して電話口でこんなに泣いてしまうなんて社会人としては失格だけど、どうしても止められなかった。
「いえ、いえ。俺もすごく嬉しいんです。本当にありがとうございます。
あの、その、良かったな、石田。」
電話口から聞こえてきた恭さんの声は、まるで昔に戻ったようで。
今までは封印してきたけれど、今日ばっかりは柴田さんじゃなくて恭さんとして接してくれることがすごく嬉しかった。
自分からビジネスパートナーとして割り切ったくせに現金だ。
「ありがとうございます、恭さん。」
そう言うと、恭さんは言葉を詰まらせたように感じた。
しばらくは今後についてなど仕事の話をして私も気を取り直してしっかりとメモをとった。
そして最後になる頃
「あの、初めて企画が成功したわけですし、祝勝会しませんか?」
と言われた。
私は正直どうしていいか迷った。
気持ち的にはしたい。
だけど私は既に片倉さんとお付き合いをしているし、2人きりで会うのは浮気になってしまうのかな?
ビジネスの相手だからと言っても、過去に好きだった男性と2人きりでご飯に行くのは、私が片倉さんの立場だったら嫌かも。
「あの、すみません。今お付き合いしている男性がいて、2人きりで会うのはちょっと。せめて彼に聞いてからのお返事でもいいですか?」
そう私が告げると恭さんは沈黙してしまい自意識過剰だったかなとドギマギしていると、しばらくして
「あの、すみません何も考えずに……。
そういうことでしたらぜひまたの機会にしましょう。日野さんが戻られた頃にでも。」
その声が少しさみしげに聞こえて、私は胸ズキっと痛んだ。