片思いのあなたに再会してしまいました
「実は片倉くんは隣の広域営業2課に課長として戻ることになったんだ。」
若干35歳にして大手食品メーカーの課長とはなんと華々しい経歴だろうか。
しかし彼の実力なら妥当と言えるかもしれない。
「おめでとうございます!!片倉課長!!」
そう言うと片倉さんは少し照れてありがとうと言った。
「それで石田さんを呼んだのは、実は君にもまた2課に移ってもらおうかと思ってるんだよ。
片倉くんと石田さんは長く仕事を一緒にしていたから息が合うと思って。
この前のカフェのこともあって上もなかなか君を評価してるから、課長補佐として異動してもらいたい。とは言っても主任としてチームの仕事もこなしつつって感じにはなるけれど、どうかな?」
思わぬ提案に私はしばらくなにも言えなかった。
がむしゃらに仕事に取り組んできたけれど、しっかりと認められたことが本当に嬉しかった。
「ぜひ!その話受けさせていただきます!」
それからは忙しく、今までの仕事の引き継ぎや挨拶回りなどでバタバタと動き回ったが、1ヶ月後私は晴れて課長補佐として古巣の営業2課へと戻った。
営業2課は懐かしい顔ぶれで、育休から戻った日野さんもおり、おめでとう!と祝福してくれた。
片倉課長と私の歓迎会兼おかえりなさいの会なども開催していただき、主任兼課長補佐の仕事にもやっと慣れてきた頃のことだった。
「石田さん、ちょっといいかな。」
片倉さんに呼ばれデスクまで行くと、ファイルをひとつ渡された。
「実はエブリデイとフタバの合同プロジェクトを行うことが決定したんだ。
エブリデイがコンビニとカフェを融合した新形態を展開することになったんだが、フタバが全面的にそのメニューなんかをサポートすることになった。
石田さんはエブリデイの仕事もカフェ系の仕事も経験があって慣れてるからそのプロジェクトチームのリーダーをして欲しい。」