貴方の彼女になれますか
携帯の着信で目が覚めた。目が重い。頭痛い。
ディスプレイに映るのは佐々木の名前。
[っやーと出た!何してんの、今日バイト入ってんだけど?二日酔い?]
「え、今何時…」
[3時過ぎだけど。寝てた?]
「寝てた、」
14時インだったはず。初めてバイトをすっぽかした、
[やっぱり。店長にはうまく言っといたから。今日休んでいいよ]
「うわ、マジごめん、」
[…ん。なんかあった?]
「え、」
[なんかあったっしょ。]
「、まあ、」
奥でオーダーを知らせる音が聞こえた。
[あ、終わってから話聞くわ。俺21時までだから]
「ん、」
[じゃ、また電話する]
「ありがと佐々木、」
通話を切ってLINEを開くと、佐々木からの何回かの電話とスタンプの連打。佐々木には申し訳ないけど、甘えて休むことにした。バイトに行ける顔ではない。
『二日酔いしてない?』
『大丈夫?』
朝、翔から2つほどメッセージが届いていた。
昨日、どうやって帰って来たんだっけ。翔に送ってもらった気がする。確か、何も話さなかった。家で一人になると、ひどい後悔が襲って、涙が止まらなかった。