貴方の彼女になれますか
「大丈夫」
一言だけ返して、トークを閉じた。
正直、自惚れてた。あんなに優しくされるのは特権だと。私だけだって信じてた。でも、そうじゃなかったんだよね?翔には、誰に対しても当たり前なんでしょ?私は、彼にとって特別なんだって勘違いしてたんだよね?
もう一度、布団を被って泣いた。
さっき送ったメッセージに既読がついてることだけ確認した。
夜、もう一度かかってきた佐々木からの連絡に、「振られたんだよね~」なんて軽く伝えれば、耳が痛くなるほどの驚きの声が返ってきた。
[え、昨日?言ったの?]
「うん、言っちゃった、」
明るく話したつもりだったのに、また視界はぼやけてきて、佐々木が[大丈夫?]っていつもより優しい声出すから、それが零れ落ちた。
「、ささき、」
[ん?どうする?今から呑む?]
「…いや、それはいいや、明日はバイト行くし」
[ならいいけど…いやあ、行けると思ったんだけどなあ、彩と翔]
「私も…自惚れてた、」
佐々木が困ったように黙ったのが分かった。
「…月曜から、どんな顔して会えばいいの、」
[普段通りでいいっしょ]
「そんなの、できるかな…」
[翔が話してきたら、答えるぐらいで大丈夫だよ]