貴方の彼女になれますか
90分の長い講義を2回ほど繰り返せばお昼、その後も90分のお昼寝をしたらサークルに向かう。2年の秋なんか、1番楽しい時期である。
[やべ、ずっと寝てたわ]
「…私も」
ガタガタと席を立つ音で佐々木と揃って顔を上げた。
「翔起きてた?」
『最初寝たかも』
「あ、そこは私写してる」
『寝たの入れ替わりじゃん、天才(笑)』
ノートの抜けた部分を見合わせて笑う。佐々木はぶっ通しで寝てたからノートは真っ白。
『それ、写したら明日返して?』
「うん?わかった…翔サークル行かない?」
『ごめん、今日バイト足りなくて』
「そか、言っとく」
『わり』
「ノートありがと」
教室を出ていく翔の後ろ姿を無意識に目で追ってて、隣の佐々木に目の前で手を振られた。
[あからさまに落ち込むなよ]
「そんなことないよ」
[そ?]
3人で入ったダンスサークル。翔と佐々木は高校は違えど、ダンスの何かしらで知り合いだったみたい。私も幼い頃にダンスやってて、意気投合したんだけど。