貴方の彼女になれますか
スピンオフ②(佐々木大吾)
男は揺れるものに弱いって。ポニーテールとか。
それが乱れるのも気にせず、踊ってた先輩に目を奪われていた。
それは、大学に入りたての1年生の頃の話。
[え、翔じゃん!]
『え、佐々木?うわ!マジか!』
まさか大学で再会するなんて、とお互いに笑いあったサークル見学。
そこにいた彩とは、同じ学科だったこともあり3人が自然と打ち解けた。
サークル見学では、先輩がパフォーマンスを見せてくれた。
すげー、かっけー、俺もやりてーーー!なんて。
女の子のダンスに、こんなに見せつけられるなんて初めてだった。
緩く巻かれたシルバーの髪をポニーテールにして、その髪を揺らして最高にカッコつけて。
かわいい、なんかよりかっこよかった。
かっこいい女の子にこんなに惹きつけられるのは、初めてだった。
「あの先輩凄いね」
隣で彩が呟いた。同性から見ても何か惹かれるものがあるのかな?
〈じゃあ、何か質問とかあれば、先輩に聞いちゃってください!!〉
パフォーマンスを終えた彼女がそうアナウンスした。
パフォーマンスの時の色気と男気とは全く違う、かわいらしい笑顔で。
あ、いま、好きって思った、かも。